毎日の運勢は、誰が書いているのか — AIと、その手前に置いた検査
2026-08-26
「今日の運勢」は、128の型それぞれに別々の文章が出ます。毎日、128通りです。
これを誰が書いているのか。AIです。 隠すことではないので、どう作っているかをそのまま書きます。
この記事は理論の解説です。アプリの使い方は ガイド をご覧ください。
前の晩のうちに、まとめて作っています
運勢の文章は、日付が変わる前後に、自動でまとめて作られます。あなたが開いた瞬間に生成しているわけではありません。
作り方は三段構えです。
① 手元の機械で動かしている言語モデル — ふだんはここで全部作ります。外部への費用はかかりません。
② 有料のAIサービス — ①が失敗したときに、足りない分だけ呼びます。呼ぶ前に予算を確かめてから呼びます。
③ どちらも駄目だったとき — 定型文は保存しません。
③がこの仕組みでいちばん大事なところなので、次の節で説明します。
作れなかった日に、何が出るのか
①も②も失敗した面については、あらかじめ用意した「無難な文」を保存しないことにしています。
理由は単純で、保存してしまうと、同じ文章が128ページに並ぶからです。それは読む人にとって何の価値もありません。
では何が出るのか。直近3日以内に作れていた文章が出ます。 「今日の分がまだ無い」ときは、さかのぼって直前に作れていた分を出します。3日さかのぼっても無ければ、そのページは出しません(見つからないページとして扱います)。中身の無いページを200番で返さないためです。
作れなかったことは記録に残り、通知が飛びます。 出ないまま気づかれない、という状態を作らないためです。
なぜ前の晩に作るのか
開いた瞬間に作る方式にしなかったのには、理由が3つあります。
① 待たせない — その場で生成すると、文章が出るまで数秒から十数秒かかります。毎日の楽しみとしては長すぎます。
② 失敗しても間に合う — 前の晩に作っておけば、失敗した面を朝までに作り直す余地があります。開いた瞬間に失敗したら、その人にはもう出せません。
③ 同じ日に何度開いても同じ文章になる — その場で作ると、開くたびに違う文章が出ます。それでは「今日の運勢」になりません。
用意しているのは、型ごとの解説が128通り(これは日によって変わりません)と、その日の文章が128通り。日々作り直しているのは後者のほうです。
毎晩、いくつ作っているのか
172通りです。 内訳は、型ごとの「今日の運勢」が128、分析を受けていない方向けの簡易的な占いが44(22枚 × 正逆)。
128のほうは気質によって読み分けます。同じ札・同じ向きでも、ドライバーの方とエミアブルの方では違う文章になります。44のほうは札の読みだけで、気質による読み分けはしません。分析を受けた方との差を残すためです。
ここで一つ、あえてしなかったことがあります。月の満ち欠けを文章の材料としてAIに渡していますが、「どの月相か」を保存の鍵には入れていません。鍵に入れると、作る数が月相の数だけ増えます。8倍にする価値はないと判断しました。
文章は5つの部分でできています
書き出し — 2文で書きます。1文目はあなたの気質の傾向にそっと触れるところから始め、2文目でその日の話につなげます。
気をつけたいこと — ここが大事なところで、暗い要素はここに「ちょうど1つ」だけと決めています。2つ書かせません。
締め — 最後は明るく終わると決めています。読み終わって気持ちが重くなる運勢にはしない、という方針です。
今日の一手 — 実際にやってみられることを1文で。キーワード — 短い言葉ひとつ。
分けてあるのは、部分ごとに長さの上限をかけられるからでもありますが、いちばんの理由は「暗い話は1つまで」「最後は明るく」を形として守らせるためです。一息の長文で書かせると、この2つは簡単に崩れます。
出す前に、機械が検査しています
AIが書いた文章を、そのまま出しているわけではありません。保存する前に、機械が決まった検査をかけます。
検査に落ちた文章は、もう一度だけ作り直させます(手元のモデルでの試行は最大2回)。それでも落ちたら、その面はあきらめます。何度も作り直させると、時間も費用もかさむうえ、直る保証もないためです。
見ているのは2つ。長さと、禁止語です。
長さの線
運勢の文章は5つの部分に分かれていて、それぞれに上限があります。
書き出し 120字 / 気をつけたいこと 90字 / 締め 120字 / 今日の一手 60字 / キーワード 12字
型ごとの解説(毎日変わらない部分)のほうは、90字以上220字以下。下限もあるのがポイントです。
下限を置いているのは、生成に失敗すると「一文だけ返ってくる」ことがあるからです。それをそのまま出すと、中身の無いページができあがります。
24の禁止語
文章に入っていたら捨てる言葉を、24語決めてあります。5つの理由で選んでいます。
① 呼び方の約束 — 医療の場で人を見るときの言い方や、占い師が人を見立てるときの言い方。この仕組みは分析であって、人を見立てるものではないためです(この分類の語は運勢だけでなく、サイト全体で使わないと決めています)。
② 断定しない — 「必ず」「絶対」「確実に」「当たります」。運勢は当てるものではないので、当たると書かせません。
③ 医療・健康の効果を言わない — 「治る」「治療」「医療」「健康効果」「効能」。
④ お金の話を約束しない — 「儲か」「稼げ」「金運が上がり」。
⑤ 聞いていないことを書かない — 「男性」「女性」。
⑤について補足します。この分析では、性別を聞いていません。 聞いていない以上、文章の中で性別に触れれば、それは推測でものを言っていることになります。だから語ごと禁止しました。
禁止語は部分一致で見ています。「必ずしも」のような言い回しも引っかかりますが、ゆるめるより厳しいほうを選びました。
AIが書いたものを、人が全部読んではいません
ここは正直に書いておきます。毎晩172通りの文章を、人が読んで確かめてはいません。
できるのは、機械にかけられる検査を用意しておくことです。長さと禁止語は機械が見られます。文章の質や、その日の内容がふさわしいかどうかは、機械には見られません。
だからこの運勢は、エンターテインメントとして置いています。将来を予測するものでも、保証するものでもありません。何かを決めるときは、運勢ではなくご自身の判断でお願いします。
札と向きのほうは、AIが決めているのではありません
文章はAIですが、どの札が出るか・正位置か逆位置かは、AIとは関係のない決まった手順で決まります。
型ごとのページでは、その日の日付とあなたの型から、札も向きも決まります。計算の中身は決まった手順(ハッシュ)なので、同じ日・同じ型なら、誰が何度見ても同じ札・同じ向きです。日が変われば変わります。
「AIが今日はいい日だと決めた」わけではない、ということです。札と向きが先に決まり、その組み合わせに対する文章をAIが書いています。逆位置の札の読みについては 正位置と逆位置 もご覧ください。
おわりに
前の晩にAIがまとめて書き、機械が長さと禁止語を検査し、通らなかった面は前の日の文章を出す。 これが「今日の運勢」の作り方です。
AIが書いていることを伏せて「占い師が書いています」と見せることもできたはずですが、そうしませんでした。作り方を知ったうえで、娯楽として楽しんでいただければと思います。
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