この分析は何に基づいているのか — 3つの土台と、できないこと
2026-08-25
「この分析、いったい何を根拠にしているんですか?」
読み物の感想でいちばん多くいただくのが、この問いです。占いのように見えて、けれど設問は 102 問もある。答えると種族と気質が決まる。その裏側で何が起きているのか、気になるのは当然だと思います。
この記事では、スピリットコードが何に基づいているのかを、隠さずに書きます。元になっている考え方、実際の計算の順番、そして この分析にできないことまで含めてお伝えします。
先に結論 — 3つの土台と、1つの掛け算
スピリットコードは、既存の3つの考え方を土台にしています。
① ソーシャルスタイル — 人の振る舞いを「主張の強さ」と「感情の出しやすさ」の2軸で見る考え方
② ビッグファイブ(5因子) — 性格を5つの連続量でとらえる考え方
③ 16タイプの性格分類 — 4つの指向の組み合わせで16種類に分ける考え方
この3つの結果を組み合わせて、128タイプを出しています。内訳は後半で説明します。
大事な前置きです。スピリットコードは 心理学的な診断ではありません。上記の考え方を参考にした、独自のエンターテインメント分析です。特定の団体や検査との提携・公認はありません。採用や人事評価には使わないでください。
① ソーシャルスタイル — 「how」を見る考え方
ソーシャルスタイルは、1960年代のアメリカで、営業や管理職の研修から広まった考え方です。「その人が何を考えているか」ではなく、他人からどう見えるか——つまり振る舞いの型に注目します。
見るのは2つの軸だけです。
主張度(Assertiveness) — 自分の考えを前に出すか、控えるか。会議で最初に口を開く人と、全員の話を聞いてから話す人の違いです。
感情表出度(Responsiveness) — 気持ちを外に出すか、内に置くか。うれしさや戸惑いが表情に出る人と、淡々として見える人の違いです。
この2軸を高い/低いで切ると、4つの area ができます。よく使われる呼び名では、ドライビング(主張・強/感情・低)、エクスプレッシブ(主張・強/感情・高)、エミアブル(主張・弱/感情・高)、アナリティカル(主張・弱/感情・低)です。
なぜこの考え方が便利か。性格そのものを言い当てようとしないからです。見るのは観察できる振る舞いだけ。だから「あの人はこう見えるから、こう伝えると届きやすい」という、明日から使える形になります。
スピリットコードでは、この4分類が 4つの気質 に対応します。20問の設問で2軸を測り、どの area に寄るかを決めています。
② ビッグファイブ — 「どのくらい」を見る考え方
ビッグファイブは、性格を5つの因子でとらえる考え方です。1980年代以降、複数の研究者が別々の方法で言葉を分類していったところ、繰り返し同じ5つの束が現れた——という経緯で整理されてきました。
開放性 — 新しいもの・抽象的なものへの好み
誠実性 — 計画性、粘り強さ
外向性 — 人と関わることでエネルギーが湧くか
協調性 — 他人への信頼、譲る構え
神経症傾向 — 不安や動揺の起きやすさ
この考え方の特徴は、タイプに分けないことです。5つそれぞれが連続量で、人は「外向的か内向的か」ではなく「外向性が どのくらいか」で表されます。
スピリットコードでは50問で5因子を測り、そのうち 神経症傾向 を 覚醒(日輪/月華) の振り分けに使っています。しきい値は 50。50 以上なら月華、それ未満なら日輪です。
数値が高い・低いに、良し悪しはありません。神経症傾向が高めに出た方は、危険に早く気づける人でもあります。月華という呼び名にしたのは、そこに優劣を持ち込みたくなかったからです。
③ 16タイプの性格分類 — 「どんな傾向か」を見る考え方
3つ目は、4つの指向の組み合わせで16種類に分ける考え方です。心のはたらきを「どこからエネルギーを得るか」「どう情報を受け取るか」「どう決めるか」「どう外界に向き合うか」の4つで見て、それぞれ2択にすると 2×2×2×2 = 16 になります。
スピリットコードでは32問でこの16分類を出し、その結果を 8つの種族 に対応させています。
ここは正直に書きます。 16 を 8 に写すので、2つの型が同じ種族になります。情報が減っているということです。減らしてでも8種族にしたのは、128という数を扱いやすくするためと、種族という見立てが読み物として伝わりやすいからです。
16タイプ分類にはいくつかの流派があり、よく知られた検査名の一部は各団体の商標または登録商標です。スピリットコードはそれらの検査ではなく、考え方を参考にした独自の設問を使っています。
実際の計算の順番
ここからは、アプリの中で実際に何が起きているかです。コードに書いてある通りを書きます。
1. 102問に答える — 性格32問、ソーシャルスタイル20問、ビッグファイブ50問。合計102問です。
2. 種族と、その中の型が決まる(8種族 ×(それぞれ2つの型)) — 32問から出た16タイプを、8種族へ対応させます。ひとつの種族を2つの型が分け合うので、ここで決まるのは種族だけではありません。
3. 気質が決まる(4通り) — 20問から出たソーシャルスタイルの4分類を、そのまま4気質へ対応させます。
4. 覚醒が決まる(2通り) — 50問のうち神経症傾向の値を見て、50以上なら月華、それ未満なら日輪。
8 ×(それぞれ2つの型)× 4 × 2 = 128。 これがタイプ数の内訳です。
つまり、タイプを決めているのは 16タイプ分類・ソーシャルスタイル・神経症傾向 の3つです。
「8 × 2」は「16」と同じです。 種族は、16タイプを8つにまとめた 呼び名 だからです。16 × 4 × 2 と数えても同じ128になります。同じ数を、別の入口から数えているだけです。内部では16タイプとして区別され、称号などに反映されます。(たとえば森守族は ISTJ と ISFJ の2つの型が入ります)
ひとつ補足します。アプリの内部には、ビッグファイブの4因子(開放性・誠実性・外向性・協調性)から直接 種族を出す計算も残っています。ただし 実際の分析ではそちらは使っていません。種族は上の通り、16タイプからの対応で決めています。
この分析にできないこと
説明責任として、限界も書いておきます。
当たっている/外れているを保証できません。 自己申告の設問に基づく以上、その日の気分や、質問の読み取り方で結果は動きます。
能力や適性は測っていません。 測っているのは傾向の自己認識であって、仕事の出来ではありません。採用や人事評価に使わないでください。
医学的・心理学的な判断はできません。 不安や落ち込みが続くときは、専門家にご相談ください。この分析はその代わりにはなりません。
分類は、人を説明しきれません。 128 は多いようでいて、世界の人口に比べればごくわずかです。同じタイプの中にも、まったく違う人生があります。
それでも、分けることに意味がある理由
ここまで限界ばかり書きましたが、それでもこの分析には使いどころがあると考えています。
共通の言葉ができるからです。 「あの人は感情を出さないから冷たい」と思っていたのが、「アナリティカル寄りだから、まず情報を確かめたいだけ」と言い換えられる。その言い換えができるだけで、チームの摩擦はずいぶん減ります。
自分の癖に名前が付くからです。 「なぜか急かしてしまう」ではなく「主張度が高めに出る型だから」と分かれば、次から一呼吸おける。
分類は答えではなく、話しはじめるための道具です。スピリットコードを、そういう道具として使っていただけたらうれしいです。
この先の連載について
この記事はシリーズの1本目です。この先、次のような話を予定しています。
ソーシャルスタイルという考え方をもう少し詳しく/ビッグファイブの5因子それぞれの読み方/今日の運勢で使っているタロット大アルカナ22枚の話/スピリットコードでは使っていない性格分析の紹介/128という数の作り方
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